シラバス参照

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講義名 文化人類学
講義開講時期 前期前半 講義区分 講義
基準単位数 1 時間 15.00
校地 東が丘看護学部
開講学科等・年次 東が丘看護学部看護学科 1年
ナンバリング・科目分類 基礎分野
区分 選択
講義名(英文表記) Cultural Anthropolpgty

担当教員
職種氏名所属
非常勤講師◎ 望月 重信選択無し

授業の概要及び到達目標 【授業の概要】
 人類学を行なう「私」という人間と「あなた」とそして私たちの社会を理解し、社会を抱擁する世界を理解する。人類学のフィ一ルドワ一クは未開社会に限定されない。現代都市文明そのものが対象であり、そのフレームワ一クは「性と抑圧」「性と文化」「多様性」「異文化理解」である。人類学の認識論を学ぶとともに自身の「自明化された世界」を検討する契機(きっかけ)をつかむ。人類学的思考法とは何かを問い続けるためのキ一ワ一ドを学ぶ。

【到達目標】
 1.〈文明―非文明〉という二項対立にとらわれない認識ができるようになる。
 2.未開社会の思惟と知恵・習俗が現代社会の解読に役に立つ。
 3.「性と文化」に関わる今日的な課題を知ることができる。
 4.講義で提起された人類学的出会いから課題と問題を自分自身の問題としてうけとめてと
   もに解決に向けて取り組むことができるようになる。 
 5.「性と多様性」の課題を考え「当事者性」に寄り添ってものごとを考えることができる。
 6.異文化理解のための認識の枠組みを学び「人間関係」「協働関係」の構築に資する。
 7.ジェンダ一の視点から現代社会を読み解くことができる。
 8.医療人類学の思考法を学び日常生活と仕事に生かすことができる。
 9.偏見や差別に対して敏感になることができる。
学位授与方針との関連 □1.豊かな人間性と職業倫理に基づき、専門職として看護の対象者と適切な人間関係を形成しつつ看護を実践できる能力 
■2.看護・看護学の基盤となるヒト・人・人間に関連した基礎科学及び看護学に関する知識・技術を修得し、多角的な思考・判断に基づいて看護を
実践できる能力 
□3.チーム医療において、看護職の専門性と自律性を基盤としつつ多職種と協働して看護を実践できる能力
□4.発展・進化する看護の知識・技術を積極的に探求し、自らも看護・看護学の発展に創造的に係わることができる能力 
□5.専門職としての自己の資質を主体的に向上させ、看護職のキャリアの多様性をふまえ、自己の目標に応じたキャリア開発に取り組める能力 
□6.国際的な視野の下で、看護・看護学の専門性を発揮し地域社会、国際社会に貢献できる能力
授業計画表
実施回担当教員内容事前・事後学習
第1回望月 重信・本講座の目的・内容・方法を確認する
・シラバスの全体的内容を知って問題意識をもつ
・講座の聴き方、関連図書、文献の読み方を学ぶ  
事前にシラバスと授業計画表を読む。
事後に専門用語を整理する。
第2回望月 重信・文化人類学と「性と生の文化」との関連性を考える
・ジェンダ一化社会の背景を探る
・学生にリアクション・ペ-パ-を実施する
「〇〇と文化」ということばを拾ってみる。文化という書物をメモしておく。
第3回望月 重信・ジェンダ一の視点と領域を学ぶ(1)
・「ジェンダ一で学ぶ文化人類学」とは何か
・リアクションペ-パ-に応える:ディスカッション  
千田有紀ほか編「ジェンダ一論をつかむ」有斐閣、2013にあたる。関心項目を確認する。
第4回望月 重信・ジェンダ一の視点と方法と課題を学ぶ(2)
・社会科学(社会学・教育学)の問題意識と自己のアイデンティティを関連づける  
前時に配布した文化人類学と社会学の著作索引を読んでおく。関心領域をチェックする。
第5回望月 重信・「女性と男性」の文化人類学―性別秩序・生殖・メディア・結婚・非婚・介護について身近な問題を考える。
・リアクションペ-パ-実施  
メディア文化(雑誌・週刊誌・新聞記事)探索。切り抜きをしておく。ミニテストの準備。
第6回望月 重信・人間における性差を考える。進化生物学は何を語るか。女性の権利平等が取り上げられる背景を考える。
・ミニテストを実施する  
橘木俊詔「夫婦格差社会―二極化する結婚のかたち」中公新書 2013にあたる。
第7回望月 重信・ミニテストの結果報告・解答用紙返却(解答を配布)
・女性学・男性学が投げかける課題
・「女の子・男の子」問題の背景を探る  
スポーツの世界と性別・規範を考える。パラリンピック競技の性差別と小中高教科書の確認。
第8回望月 重信・文化人類学的思考法で世界を読むー移民(社会)
・グロ-バリゼ-ション・言語問題(英語の文化人類学)
・本講座のまとめ・試験レポ一ト作成の方法・質疑
本講座で学修したことがらで疑問点をチェックする
今後の持続的課題を整理する。
事前学習(留意点) 講義前にシラバスを読み、自分自身の関心を喚起する。自明視されている前提や「常識」を検討してみる。文献や関連の著作にあたってみる。
事後学習(留意点) 学修した事柄を確認して生活に活かす。ポ一トフォリオ作成。配布された文献、レジュメを一括してまとめておく。提起されたトピックスを日常的に論証するよう心掛ける。
講義形態 短期の知識蓄積が主で、講義法が主。話すことが苦手の場合を考慮して「書くこと」「自己表現(法)」を促したい。「気づき」「敏感」「とまどい」が教室で席卷する雰囲気づくり。
成績評価の方法 ・試験レポート成績(60%)・ミニ小テストの成績(15%)・リアクションペーパー(15%)授業への参加度(10%)の4点から総合的に評価する。
課題等のフィードバック ・ミニ小テストの解答例を付して返却。関連した質疑応答を実施する。
・リアクションペ-パ-の内容を問題発見的に一般化してディスカッションを心がける。
テキスト ・指定のテキストは使用しません。
・授業時に関連文献および参考書を紹介する。
・レジュメを配布して「学びの地図」を提示・解説する。
参考図書・資料等 ・伊藤亜人著「文化人類学で読む日本の民俗社会」(有斐閣:2007)
・宮永國子著「人類学的出会いの発見」(世界思想社:1994)
・岩上真珠著「ライフコ一スとジェンダ一で読む家族〔第3版〕(有斐閣:2013)
・田中雅一著「ジェンダ一で学ぶ文化人類学」(世界思想社:2005)
・橘木俊詔・ほか著「夫婦格差社会―二極化する結婚のかたちー」(中公新書:2013)
・B.・マリノフスキー、阿部年晴ほか訳「未開社会における性と抑圧」(ちくま学芸文庫:2017) 
オフィスアワー 履修案内を参照して教員と事前に日程の調整を行う。授業終了後、教室で質問を受け付けます。
実務経験の有無
備考 講義内容に関心をもった履修生を期待したい。私語は慎みたい。